キリスト教用語集(こよみ編)

アドベント(待降節)とクリスマス(降誕節)

アドベント(待降節)は、キリストのご降誕を待望し、主を迎える準備を守る期間です。11月30日に一番近い日曜日から始まり、教会の暦は、アドベントから始まります。
またクリスマス(降誕節)は、キリスト(Christ)のマス(Mass=ミサ 礼拝)が意味するとおり、この世界にご誕生した救い主キリストを礼拝する日です。

旧約聖書というキリストのご誕生の前に書かれた聖書には、救い主がこの世界に来て下さるという神様の約束が書かれています。この約束が2000年前に果たされたことによって、神様がどんなに私たちを愛してくださり、聖書のことばが真実であることが明らかになりました。

クリスマスには「メリークリスマス(クリスマスおめでとう)!」との挨拶が交わされますが、これはご誕生なさったキリストに向けられる言葉ではありません。キリストがこの世界に来られて私たちは救われる、なんて嬉しいことでしょうと、お互いが祝福しあう言葉なのです。

キリストのご誕生は歴史的には約2000年前の出来事ですが、キリストを信じる者(クリスチャン)にとって、それは常に「今」の出来事です。「今」、私の心に救い主が現れ、私たちの中に住んでくださり、救いの光を放っていてくださいます。

さ らなる神様の約束を待ち望み、救い主の光が輝くのにふさわしく自分の心を整える時期、それがアドベント(待降節)です。  整えられた心には、救い主イエス・キリストのご誕生(クリスマス)はこの上ない喜びの光として輝き、愛の形をもって世界に働きかける力となるのです。
(写真:ペツレヘム 生誕教会の祭壇 ベツレヘムの星)

四旬節(レント)と復活祭(イースター)

キリスト教会にとってイースター(復活祭)はクリスマス以上に歴史の古い、最も重要な日です。なぜなら、キリストの十字架と復活は福音(よい知らせ)そのものだからです。イースターの準備(四旬節・レント)はイースター前の6つの日曜日を除く40日間が当てられます。これはイエス様が荒野における断食と祈り、悪魔の誘惑と戦われた40日になぞられています。クリスチャンにとって、改めて自分の罪の深さを振り返り、そこに愛を注いでくださる神様の恵みを思い、悔い改めと喜び、感謝を捧げる日々としています。

ペンテコステ(五旬節)

ペンテコステはギリシャ語で、日本語では五旬節(50日目の節目の日)と言われます。新約聖書では、イエス様がよみがえられた日(イースター)から数えて、50日目のこの日を、記念の日としています。

なぜならこのペンテコステの日に、イエス様が信じる人々に聖霊の神様が下り、教会が誕生したからです。

もともとは、このころから始まる小麦の収穫を感謝する、ユダヤ教(旧約聖書)のお祭りです。また、人々を神様のもとへ導く律法(おきてと戒め)を刻んだ石板を、神様から頂いたことを記念する日でもあります。

イエス様を信じる人々(クリスチャン)は、よく神様への捧げ物である小麦にたとえられます。このことから小麦の収穫は、クリスチャンが神様の元へ集められることを意味します。そしてイエス様を信じることは、イエス様を心に受け入れイエス様に従うこと、つまりイエス様のお言葉(おきてと戒め)を、心に刻みつけられることです。

イエス様を心に刻みつけられた人々が、小麦のように神様へ捧げられ集められたのが教会なのです。